5月12日、英国のエネルギー大手Shellの取締役会に対する気候変動に焦点を当てた訴訟について、高裁は金曜日に続行を認めないとの判断を示した。
環境法律団体ClientEarthが2月に開始した本訴訟は、Shellのエネルギー転換戦略に欠陥があり、株主価値を危険にさらしていると主張したもの。取締役会に対して同社の気候変動計画を強化するよう命じるよう裁判所に求めていた。本訴訟は、企業の取締役にエネルギー転換の準備のための個人的な責任を問うことを求める初めてのものであった。
法的措置は、会社の成功を促進し、合理的な注意、技術、勤勉さを行使するという取締役の義務には、気候リスクを軽減するための会社の目標を達成する可能性の高い戦略を採用することなど、いくつかの気候関連の義務が含まれていると主張した。
しかし、Trower判事による判決では、明らかに付随的な義務は曖昧であり、取締役が考慮する要因の重みを決定することを求める原則に反し、「法定注意義務の不必要かつ不適切な推敲に相当する」というShellの主張に同意した。
また、裁判官は判決の中で、ClientEarthのShellへの出資比率が27株と非常に小さいことから、「ClientEarthの真の関心は、会員全体の利益のためにShellの成功をいかに促進するかにあるのではないという、非常に明確な推論を生じさせる」と指摘している。
【参照ページ】
(原文)Judge Nixes Climate Change Suit Against Shell Directors
(日本語訳)英国高等裁判所、シェル役員に対する気候変動訴訟を棄却