クリーンテックのスタートアップCarbon Upcycling、セメント脱炭素ソリューション展開に向け約37億円を調達

7月31日、カーボンテックのスタートアップであるCarbon Upcyclingは、2,600万ドル(約37億円)を調達したと発表した。シリーズA資金調達ラウンドの調達資金は、北米と欧州のセメント工場における初の商業規模の炭素回収・利用の展開を支援するものである。

2014年に設立されたカルガリーを拠点とするCarbon Upcyclingは、脱炭素化が難しい産業の脱炭素化を目指したソリューションを提供している。同社のオール電化ソリューションはCO2を無機化し、石炭、鉄鋼、ガラス生産工場、天然素材などの産業副産物と組み合わせることで、セメントやコンクリートなど、性能が向上し、排出量が少ない新素材を生み出す。

建築材料は、世界的なGHG排出の主な原因となっている。コンクリートの原料であるセメントの生産は、世界のCO2排出量の約8%を占めており、1000kgの原料を生産するごとに900kg以上のCO2が発生する。

Carbon Upcyclingは、建材会社のCRHとCEMEXとの間で、それぞれカナダと英国でのプロジェクトで、セメント工場での炭素回収と利用を統合した初のソリューションの商業展開が決定している。

CRH VenturesとCEMEX Venturesは、Clean Energy Ventures、Amplify Capital、Oxy Low Carbon Venturesとともに本資金調達に参加した。

【参照ページ】
(原文)Cemex increases its investment in innovative carbon tech company
(日本語参考訳)クリーンテックのスタートアップCarbon Upcycling、セメント脱炭素ソリューション展開に向け2,600万ドルを調達

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る