8月30日、米国環境保護庁(EPA)は、リーガン長官のPFAS戦略ロードマップに基づき、「永遠の化学物質」とも呼ばれる特定のPFASがもたらす健康リスクから人々とコミュニティを保護するための行動を起こした。EPAは、最も広く使用されている2種類のパーフルオロアルキル物質(PFAS)を、「スーパーファンド」とも呼ばれる包括的環境対応・補償・責任法(CERCLA)の下で危険物質に指定することを提案した。本規則制定により、これらの有害な化学物質の放出に関する透明性が向上し、汚染浄化の責任を汚染者に負わせることができるようになる。
本提案は、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、およびそれらの塩と構造異性体に適用され、PFOAとPFOSが人の健康や福祉、あるいは環境に対して実質的に危険をもたらす可能性があるという重大な証拠に基づいている。PFOAおよびPFOSは、人体に長期間蓄積・残留する可能性があり、実験動物およびヒトの疫学研究から、PFOAおよび/またはPFOSに暴露すると、がん、生殖、発達、心血管、肝臓、および免疫の影響を引き起こす可能性があるという証拠が示されている。
本規則が確定すれば、PFOAとPFOSの放出が報告されるようになり、EPAは、公衆衛生を保護し、より良い廃棄物管理を促すために、データの改善と浄化を要求し浄化費用を回収する選択肢を得ることができるようになる。
また、国内におけるPFOAおよびPFOS汚染の範囲と場所に関するEPA、州、部族国家、および地域社会の理解を深め、すべての地域社会がこれらの潜在的に危険な化学物質との接触を回避または削減できるよう支援するものである。
さらに本規則案では、特定の状況において、EPAが潜在的な責任当事者に対して浄化費用の回収を求めること、あるいは当該当事者に浄化の実施を求めることを可能にすることにより、汚染者に支払わせることを促進するとしている。また、所有地を譲渡・売却する連邦法人は、CERCLA120(h)で要求されているように、所有地でのPFOAまたはPFOSの保管、放出、廃棄に関する通知と、結果として生じた汚染を浄化したこと、または必要に応じて将来的に浄化することを保証する誓約書(証書での約束)を提出することが義務付けられる予定だ。
EPAは、今後数週間のうちに連邦官報に規則制定提案公告を掲載する予定である。公表後、EPAは、60日間の意見提出期間を設けて意見を募集する。
【参照ページ】
(原文)EPA Proposes Designating Certain PFAS Chemicals as Hazardous Substances Under Superfund to Protect People’s Health
(日本語訳)EPA、人々の健康を守るため、特定のPFAS化学物質をスーパーファンドの有害物質として指定することを提案