7月10日、全固体電池スタートアップEnpowerは、100Ahのリチウム金属電池(LMB)の開発に成功したと発表した。今回の開発は超高エネルギー密度電池(450Wh/kg、520Wh/kg)に続くものだ。
Enpowerの大容量電池セルは、独自の難燃性電解液の採用により、性能を損なうことなく安全性を高めている。また、自己放電率も低く、黒鉛やシリコン負極を用いた従来のリチウムイオン電池の10%以下となっている。
Enpowerは、中国、日本、米国に子会社を持ち、次世代電池の開発のため国境を越えて協働している。同社は製品ラインを拡大し、ドローンや電動航空機(eVTOL)市場向けに10Ahから50AhのLMBを開発している。
また、同社は、全固体LMBを開発しており、今年中にAhクラスのパウチセルを外部試験用に納入する予定だ。2023年に100MWhスケール、2024年にGWhスケールのLMB製造ラインの生産を開始する。
固体電池は、液体電解質の代わりに固体のセラミック材料を用いて電流を流す技術で、電池の軽量化、充電速度の向上、そして最終的には低コスト化を実現する。固体電池は、より少ない材料でより多くのエネルギーを蓄え、EV用電池の二酸化炭素排出量を24%削減できるという。
【参照ページ】
Enpower Greentech develops world’s lightest 100 Ah lithium metal battery