7月21日、ロシアによるウクライナへの侵略戦争が続いていることを受け、EU理事会は、ロシアに対する既存の経済制裁を強化し、その実施を完璧なものとし、効果を強化するための新たな措置を採択した。
「維持および調整」措置は、ロシアを原産地とし、ロシアからEU域内、またはそれ以降の第三国へ輸出された金の購入、輸入、譲渡を、直接的にも間接的にも禁止する。この禁止は宝飾品も対象となる。
本措置はまた、ロシアの軍事・技術強化または防衛・安全保障分野の発展に寄与しうる規制品目のリストを拡張し、二重用途と先端技術に関する輸出規制を強化する。さらに、制裁の回避を避けるために、既存の港湾アクセス禁止を錠前にまで拡大し、預金受け入れ禁止の範囲を、第三国に設立されロシア国民またはロシアに居住する自然人が過半数を所有する法人、団体または組織からのものに拡大した。禁止されていない国境を越えた取引のための預金の受け入れは、各国の管轄当局による事前認可を受ける必要がある。
世界の食糧およびエネルギー安全保障に対する潜在的な悪影響を回避する観点から、EUは、農産物取引および第三国への石油輸送に関して、特定の国有企業との取引禁止の適用除外を拡大することを決定した。より広範には、世界中で食糧不安につながる可能性のあるあらゆる措置の回避を約束している。ウクライナ情勢を不安定にするロシアの行動を考慮して本日およびそれ以前に採択された措置はいずれも、第三国とロシアの間の小麦や肥料を含む農産物および食品の取引をいかなる形でも対象としていない。同様に、EUの措置は、第三国およびEU域外で活動するその国民がロシアから医薬品や医療品を購入することを妨げるものではない。
経済制裁に加え、理事会は、個人および団体の追加リストアップと報告義務の強化を決定し、制裁対象者の資産凍結を促進するために、資産申告の負担を制裁対象者に負わせる。
【参照ページ】
(原文)Russia’s aggression against Ukraine: EU adopts “maintenance and alignment” package
(日本語訳)EU、ロシアのウクライナへの侵略に対し、「維持と調整」措置を採択