シンガポール、グリーンウォッシュリスク低減のため、ESGファンドの情報開示ルールを発表

7月28日、シンガポールの中央銀行および金融規制機関であるシンガポール通貨監督庁(MAS)は、個人投資家を対象としたESGファンドの新たな報告・開示要件を発表した。

MASのマネージングディレクターであるRavi Menon氏は、28日の記者会見で新しい規則を紹介し、本規則は投資家が投資するファンドのESG側面をより理解できるようにし、グリーンウォッシュ、つまりファンドのサステナビリティ特性の誇張や不正表示のリスクを減らすことを目的としていると述べた。

本規則は、ESGに対する投資家の関心が著しく高まり、「グリーン」または「サステナブル」として販売される投資商品やサービスが急増する中、そのファンドで考慮されている実際のESG関連属性、方法論、基準を投資家に伝える明確なルールがないまま、施行されることになった。

このような課題に対処するため、米国のSECによる最近の提案、EUのSustainable Finance Disclosure Regulation(SFDR)の枠組み、英国のFCAによる要件など、いくつかの主要市場の規制当局がESGファンドの表示・開示規則を最近導入している。

MASの新ガイドラインで導入された報告要件には、ファンドの投資戦略の詳細、投資先を選択するための基準や指標、ファンドの戦略に伴うリスクや制限に関する情報開示が含まれる。

新ガイドラインは、2023年1月から適用される予定だ。

【参照ページ】
(原文)Remarks by Mr Ravi Menon, Managing Director, MAS, ‘From Green Finance to Transition Finance’, at the MAS Sustainability Report 2021/2022 Media Conference on 28 July 2022
(日本語訳)シンガポール、グリーンウォッシュリスク低減のため、ESGファンドの情報開示ルールを発表

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る