7月6日、EUは交通の安全性の向上と自動運転の実現に向けた新たな規制の適応が開始された。同法は、交通安全を向上させるためにさまざまな先進運転支援システムを義務付けるとともに、EUにおける自動運転車および完全無人運転車の認可に向けた法的枠組みを確立するものである。本対策は、EU全域の乗客、歩行者、自転車利用者の保護を強化し、2038年までに少なくとも14万人の重傷者を回避し、2万5000人以上の命を救うことが期待される。
一般安全規則の発効により、欧州委員会は自動運転車およびコネクテッドカーに関する法的枠組みを完成させる権限を与えられ、今夏には完全無人運転車の認可に向けた技術規則を届け、EUをこの分野におけるパイオニアとする予定である。これらの規則は、国民の信頼を高め、技術革新を促進し、欧州の自動車産業の競争力を向上させることにつながる。
7月6日現在、運転者を支援する安全機能を導入する新たな措置は以下の通りである。
- すべての道路運送車両(乗用車、バン、トラック、バス):インテリジェントスピードアシスト、カメラやセンサーによる後方確認、ドライバーの眠気や注意力散漫に備えた警告、イベントデータレコーダー、緊急停止信号など。
- 自動車とバン:車線維持システムや自動ブレーキなどの追加機能。
- バス・トラック:死角を認識する技術、歩行者や自転車との衝突を防止するための警告、タイヤ空気圧監視システム。
本規則は、まず2022年7月6日以降の新車種に適用され、2024年7月7日以降はすべての新車に適用される。新しい措置の一部は、2029年まで異なる種類の道路運送車両を対象とするよう拡大される。
欧州委員会は、一般安全規則に基づいて、自動運転車およびコネクテッドカーに関する技術規則を今夏に採択する予定である。特に、高速道路で運転手に代わる自動運転車(レベル3の自動運転)および都市シャトルやロボットタクシーなどの完全無人運転車(レベル4の自動運転)に焦点を当てたものとなる。
新規則は、レベル3の自動運転に関する国連レベルの新規則とEUの法律を整合させ、この種の国際規則としては初めて、完全無人運転車に関するEUの新しい技術規則を採択するものである。委任法および実施法で定められた技術規則は、完全自動運転車がEU市場に投入される前に、その安全性と成熟度を総合的に評価することを定めたものである。技術規則は、試験手順、サイバーセキュリティ要件、データ記録規則、安全性能のモニタリング、完全無人運転車メーカーによる事故報告要件などを網羅する予定である。
【参照ページ】
(原文)New rules to improve road safety and enable fully driverless vehicles in the EU
(日本語訳)EUにおける交通安全の向上と完全な無人運転車の実現に向けた新たなルール