6月8日、カリフォルニア州に本社を置く天然ガス・電力会社パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(PG&E)は、2040年までに温室効果ガス(GHG)排出量を完全にゼロとし、2050年までに排出量以上のGHGを環境から取り除く「気候ポジティブ」になるという目標など、一連の新しい気候に関する公約を発表した。
新しい目標は、同社の気候戦略報告書の発表と同時に発表され、同社とその顧客に起因する排出量を削減する一連の2030年目標とともに、同社の事業とエネルギー供給によるスコープ1、2、3の排出量削減を含むものである。
PG&Eは、2030年までに電力ミックスの70%を風力や太陽光などの再生可能資源でまかなう計画を発表しており、EVによる輸送を促進するため、サービスエリア内で少なくとも300万台の電気自動車を普及させる予定である。これにより5,800万トンの二酸化炭素排出量の削減が期待される。また、200万台のEVが車両-グリッド統合アプリケーションに参加できるよう、グリッドを整備する。
さらにPG&Eは、エネルギー効率と建物の電化に注力することで、同時期にライフサイクルの炭素排出量削減を4,800万メートルトンに達成する計画である。本目標を達成するため、PG&Eは、すべてのガス設備プロジェクトについて電化の選択肢を検討し、実行可能で費用対効果が高いと判断したプロジェクトについては電化を推進する。
同社は2030年までに、家庭用および商業用の主要顧客に供給するパイプラインを流れるガスの15%を再生可能天然ガスが占めるようになると予想しており、水素混合への準備を最大限に進めるための試験運用を開始している。PG&E はまた、電化できない産業用および大規模商業用顧客をよりクリーンな天然ガスに転換し、累積炭素排出量を250万メートルトン削減する。
2030年の目標に基づき、同社は2040年までに排出をゼロもしくは削減し、大気中に残った炭素を除去することでネット・ゼロを達成するよう取り組み、2050年までに排出量以上のGHGを除去する計画を立てている。