6月1日、世界的なエネルギー・電力供給会社であるIberdrola(以下イベルドローラ)と、産業・商業廃棄物管理会社であるFCC Ámbito(以下FCCアンビト)は、風力タービンのブレードをはじめとする再生可能エネルギー設備の部品リサイクルを推進する新会社、 EnergyLOOP(以下エナジーループ)の設立を発表した。
イベルドローラによると、28GW以上の設備容量を持つスペインの風力発電産業は、他国に先駆けて相当量の風力タービンをリサイクルまたは再利用する必要があるとのことだ。ヨーロッパでは、2030年には年間約5,700基の風力タービンが解体され、風力発電所のリパワリングや設備の寿命が尽きると予想されている。
イベルドローラは、風力タービンのブレード部品であるガラス繊維、炭素繊維、樹脂を回収し、エネルギー、航空宇宙、自動車、繊維、化学、建設分野で再利用できるようにすることが当初の目的であると述べている。
またエナジーループは、ナバラ州にスペイン初のブレードリサイクル工場の設立を計画しており、最初の施設に約1000万ユーロ(約15億円)を投資する意向だ。新たな工場は、欧州初の工業規模のタービンブレードリサイクル施設にもなる予定である。
本プロジェクトでは、現場での前処理・調整、廃棄物輸送ロジスティクス、リサイクル技術、リサイクル製品のマーケティングなど、風力タービンブレードの循環利用を可能にするさまざまなステージに取り組む。
また、エナジーループは、廃棄物回収のための提携や、上記の材料の効果的な循環利用に必要な研究開発への貢献を目指しており、すでにシーメンス・ガメサと協力協定を締結している。
今回の出資は、イベルドローラの「PERSEO Venture Builder」プログラムを通じて行われたもので、新電化分野や脱炭素化が困難な分野に取り組む革新的な産業企業に投資するものだ。
【参照ページ】
(原文)Iberdrola and FCC launch EnergyLOOP to lead the way in wind turbine blade recycling
(日本語訳)イベルドローラ社とFCC、風力発電用ブレードのリサイクルを先導する「EnergyLOOP」を立ち上げ