6月1日、サウスウエスト航空は、低コストでサステナブルな航空燃料の製造技術の試験的実用化を目指す新会社、SAFFiRE Renewablesへの出資を発表した。
SAFFiRE(Sustainable Aviation Fuel From Renewable Ethanolの略)は、エタノール技術企業のD3MAXが設立し、米国エネルギー省(DOE)が先進バイオ燃料技術の開発を通じて輸送時の排出量削減を目指すプロジェクトの一環として支援している。
サステナブル航空燃料(SAF)は、現在、世界の温室効果ガス排出量の2~3%を占める航空産業の脱炭素化を支援する重要なツールの一つと考えられている。SAFは一般的に、廃油や農業残渣など、持続可能な資源から生産する。SAFFiREは、DOEの国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が開発した技術を活用し、広く利用されている廃棄物原料であるトウモロコシの茎葉からSAFを生成することを目的としている。DOEの技術で製造したSAFは、化石燃料に比べて温室効果ガス(GHG)排出量を最大84%削減できると期待されている。
DOEは昨年、SAFの商業化につながる技術のスケールアップを目指し、D3MAXにSAF製造に関する唯一のパイロットスケール助成金を交付した。またサウスウエストは、DOEの助成金と同額を寄付し、技術検証、予備設計、パイロットプラントの事業計画などを含むプロジェクトの第1段階を支援すると発表した。施設では、トウモロコシの茎葉から1日あたり10トンのエタノールを生産し、持続可能な燃料技術・生産企業であるLanzaJet社がSAFにアップグレードする。
DOEの技術により、従来のジェット燃料を大きく下回る2.75ドル/ガロンの最低燃料販売価格(MFSP)でSAFを生産できる見込みである。また、SAFFiREは、2040年までにSAFの年間生産能力を70億ガロン以上にする目標を掲げている。
【参照ページ】
(原文)SOUTHWEST AIRLINES INVESTS IN SUSTAINABLE AVIATION FUEL PILOT PROJECT SUPPORTED BY THE DEPARTMENT OF ENERGY
(日本語訳)サウスウエスト航空、DOEが支援する持続可能な航空燃料プロジェクトに投資