IFRS・IASB・ISSB、統合報告フレームワークの採用を奨励

5月25日、国際財務報告基準審議会(IFRS)、国際会計基準審議会(IASB)及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、ESGと財務報告の統合に向けた新たな一歩として、価値報告財団(VRF)を統合し、その基準設定プロジェクトと要件に統合報告フレームワークを組み込む計画を発表した。

本計画の一環として、IASBとISSBを統括するIFRS財団は、作成者が統合報告フレームワークを継続的に採用し、サステナビリティ関連の開示と財務報告との関連性を高めることを積極的に奨励するとともに、組織へのサステナビリティビジネスの実践を支援する目的で、統合思考原則の利用を提唱していく予定である。

国際統合報告評議会(IIRC)は、規制当局、投資家、企業、基準設定主体、会計専門家、学界、NGOによるグローバルな連合体として設立され、統合報告および統合思考を官民における標準として主流のビジネス慣行の中に確立することを使命としている。IIRCは、統合企業報告を管理するための指導原則と内容要素のセットである「統合報告フレームワーク」を開発した。また、IIRCは、組織が使用する、あるいは影響を与える資源や関係、そして価値が創造される際のそれらの間の依存関係やトレードオフについて総合的に考えることを通じて、取締役会や経営者による意思決定や行動を強化し、価値の創造方法に関する理解の向上を促進するために、組織による「統合思考」アプローチを推進している。

2021年、IIRCはサステナビリティ会計基準委員会(SASB)と統合して価値報告財団(VRF)を立ち上げ、その後、ISSBの立ち上げに際してIFRS財団への統合を発表した。

新しい計画の下、IASBとISSBの議長は、企業報告フレームワークの長期的な役割にコミットし、企業に統合報告書の作成に関するガイダンスを提供し、IASBとISSBの報告要件間の接続性をサポートし、接続され全体的かつまとまった企業報告を可能にすると発表している。

【参照ページ】
(原文)Integrated Reporting—articulating a future path

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. 2025-7-10

    EUタクソノミーの簡素化で企業の負担軽減へ―欧州委、報告義務緩和を採択

    7月4日、欧州委員会は、EU共通の分類基準であるEUタクソノミーに関する一連の簡素化措置を採択した…
  3. 2025-7-9

    ISSB、SASB基準の包括的見直し案を公表

    7月3日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、SASB基準の改訂案およびIFRS S2実…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る