ドイツ・オランダ・ベルギー・デンマーク、”欧州のグリーン電力プラント “の実現に向け、約18兆円の洋上風力発電協定を締結

5月18日、ドイツ、オランダ、ベルギー、デンマークの政府は、北海を「欧州のグリーン電力プラント」とする洋上風力協定に署名したことを発表した。4カ国は1350億ユーロ(約18兆円)を投資し、2030年までに65GW、2050年までに150GWの洋上風力発電の合計目標を達成する予定であり、EUのカーボンニュートラル達成に必要な発電容量の半分以上を提供することになる。

また、本協定は、陸上および洋上でのグリーン水素の大規模生産にも貢献し、4カ国は2030年までに合計で20GWの生産能力を目標とすることを表明している。

本協定の一環として、デンマークは、2033年までに初期容量3GWの洋上風力を備え、ベルギーとデンマークに接続する世界初の多段階かつ最大のエネルギーアイランドを北海に設立し、2030年までに少なくとも洋上風力の総容量10GWに達し、2050年までに北海で35GWを目指す計画である。

オランダは、デンマークとともに、デンマークの排他的経済水域(EEZ)にあるエネルギーアイランドをオランダのエネルギーハブに接続する方法を模索し、洋上グリーン水素製造の展望も含めて検討する。

ドイツは、2030年までに少なくとも30GW、2035年までに40GW、2045年までに70GWの洋上風力を設置することを目標としており、デンマークとは、バルト海のボーンホルム島で提携し、北海でハイブリッド再生可能エネルギープロジェクトに取り組む予定である。

ベルギーは、洋上風力発電と国境を越えた相互接続を組み合わせた、世界初の洋上エネルギーアイランドの設立を目指している。また、2030年までに580万kW、2040年までに800万kWの洋上風力発電容量を確立する計画。ベルギーは、デンマークとともに、ハイブリッド再生可能エネルギープロジェクトでも協力する予定である。

【参照ページ】
(参考記事)Germany, Denmark, Netherlands and Belgium sign €135 billion offshore wind pact
(日本語訳)ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギーが1,350億ユーロの洋上風力発電協定に署名

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る