ING、再生可能エネルギーファイナンスの大幅な強化を計画。新規石油・ガスプロジェクトへの融資を終了

ING、再生可能エネルギーファイナンスの大幅な強化を計画、新規石油・ガスプロジェクトへの融資を終了

3月23日、アムステルダムに本拠を置くグローバルバンクであるINGは、再生可能エネルギーへの融資を拡大し、化石燃料への融資を削減する計画を含む、一連の持続可能な金融に関する新たなコミットメントを発表した。INGは、2025年末までに再生可能エネルギーへの新規融資を50%増加させることを目指し、今後は新たな油田・ガス田への専用融資を行わないことを表明した。

INGによるとこの新しいコミットメントは、1.5°C目標に沿った融資ポートフォリオを目指す同行のTerra approachの一環をなすものである。Terraは、同行の顧客が現在使用している技術と比較して、気候目標を達成するために様々なセクターで必要とされる技術シフトを評価し、融資活動の適用方向を定めるものである。本アプローチでは、エネルギー・自動車・船舶・航空・鉄鋼・セメント・住宅ローン・商業用不動産など、排出量の多いいくつかのセクターに焦点を当て、同行の融資がこれらの分野における気候変動への対応力に貢献しているかどうかを判断するのに役立っている。

INGはここ数年、再生可能エネルギーへの融資に大幅に注力し、2016年以降、再生可能エネルギーへの融資をほぼ倍増させている。現在、同行の122億ユーロの発電用融資ポートフォリオの約60%を自然エネルギーが占めている。

同行の新たな化石燃料制限とは、2021年末以降の開発が承認された油田・ガス田に対する上流専用融資を指し、INGは今後も石油・ガスの流動性維持に積極的な顧客に対して融資を提供する予定だ。INGによると同社のエネルギー戦略は、気候変動と戦うための脱炭素化のニーズと、エネルギーを安価に維持し、エネルギー供給の安全性を確保するニーズのバランスを取ることを目的としている。

【参照ページ】
(原文)More renewables, less oil & gas
(日本語訳)ING、再生可能エネルギーファイナンスの大幅な強化を計画、新規石油・ガスプロジェクトへの融資を終了

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  2. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…
  3. GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    2025-6-30

    GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    サステナビリティ情報開示における基準間の整合性の確保は、ますます重要な課題となっている。CSRD(…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る