EPA、航空燃料の鉛排出による大気汚染を調査開始

1月12日、米国環境保護庁(EPA)は、鉛入り燃料で運航するピストンエンジン航空機からの排出物が、公衆衛生と福祉を脅かす大気汚染に寄与しているかどうかを評価することを発表した。同庁は、2022年に公開審査と意見公募のための提案を出し、2023年に最終措置を取る予定である。

米国における空気中の鉛のレベルは1980年以来99%低下しているが、有鉛燃料で運航するピストンエンジン航空機は、大気中への鉛排出の最大の原因として残っている。

鉛の排出は、鉛入り塗料、汚染された土壌、バッテリーのリサイクルや金属加工による産業排出物、鉛を含む燃料や廃棄物の燃焼など、複数の原因から発生する可能性がある。 子供の安全な血中鉛濃度は特定されておらず、子供たちが鉛にさらされると、取り返しのつかない生涯続く健康被害を引き起こす可能性があると警鐘を鳴らしている。低レベルの血中鉛でさえ、IQ、注意力、学業成績に影響を与えることが示されている。成人の場合、鉛への暴露による健康への影響は、心臓血管への影響、血圧の上昇と高血圧の発症、腎臓機能の低下、生殖に関する問題などがある。

大気汚染防止法のもと、EPA は大気汚染物質および大気汚染源に関する情報を検討し、それらが人の健康や福祉を脅かすかどうかを判断する。EPAは現在、2022年に鉛入り燃料で動くピストンエンジン航空機の危険有害性所見案に関して公開審査と意見公募を行う予定であり、本提案に対する意見を評価した後に、2023年に最終的な危険有害性所見を発表する。

【参照ページ】
(原文)EPA to Evaluate Whether Lead Emissions from Piston-Engine Aircraft Endanger Human Health and Welfare
(日本語訳)EPA、ピストンエンジン航空機からの鉛の排出が人の健康と福祉を脅かすかどうかを評価へ

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る