Climate Week NYC 2026を振り返る 「目標から実行へ」AI・産業脱炭素などが主要論点

9月20日から27日、ニューヨークで「Climate Week NYC 2026」が開催された。国際非営利団体Climate Groupが主催する気候変動関連イベントで、2026年はニューヨーク市内で1,500を超えるイベントが開催された。本イベントは、11月に開催されるCOP31を前に、各国政府や企業、金融機関などが気候変動対策の方向性を議論する「前哨戦」とも位置づけられる。今年は、気候変動対策を「目標」から「実行」へ移すことが大きな焦点となり、電化やエネルギー効率、産業脱炭素、AI、自然、レジリエンスなど幅広いテーマが議論された。

22日のThe Hub Liveでは、電化やエネルギー効率、産業の脱炭素化などが議論された。国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は電化の進展について言及。製造業では、鉄鋼やセメントなど排出量の多い素材産業の脱炭素化に加え、サプライチェーンにおける再生可能エネルギー調達や電化、原材料に関するデータ把握などが取り上げられた。

AIも主要な論点の一つとなった。AIの普及に伴うデータセンターの拡大について、電力網や水資源、地域社会への影響が議論された一方、製造設備のエネルギー効率向上などにAIを活用する可能性も取り上げられた。

23日以降も、既存の技術やソリューションをいかに大規模な導入につなげるかがテーマとなった。エネルギー効率化への投資や電力網の近代化、州・地域政府間の連携に加え、都市のレジリエンス、建物の効率化、気候関連情報の活用などにも議論が広がった。

自然関連でも動きがあった。英国は気候変動と自然損失への対応として3億3,100万ポンドの資金パッケージを発表。このうち3億3,000万ポンドを地球環境ファシリティ(GEF)向けとした。また、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、テクノロジー・通信企業向けの新たなガイダンスを公表した。

Climate Week NYC 2026では、気候変動対策を排出削減だけの課題として扱うのではなく、エネルギー、産業、AI、インフラ、自然、レジリエンスなどと結び付けた議論が展開された。Climate Groupは閉幕にあたり、「commitments must now become delivery(コミットメントは実行されなくてはいけない)」としClimate Weekで示された議論を実際の進展につなげることの重要性を強調した。

参考:Highlights: Climate Week NYC 2026


企業のGHG排出量算定ルールも転換点へ

Climate Week NYCでは、電化やエネルギー効率、サプライチェーンなど、脱炭素目標を具体的な取り組みに移すための議論が相次ぎました。一方、企業の排出量算定の基盤となるGHGプロトコルでも大きな動きがある。

GHGプロトコルとISOは、企業レベルのGHG排出量算定基準の統合を進めています。今後、統合によって企業の算定実務はどう変わるのか、実務担当者が押さえておきたいポイントを解説しています。

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