ISSB、自然関連リスク開示の基準策定を本格化 TNFDを参照しIFRS(S1/S2)補完へ

1月19日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、1月26日に実施されるISSBボードミーティングにおけるアジェンダを公表した。本ミーティングのアジェンダにおいて、生物多様性・生態系・生態系サービス(BEES:the biodiversity, ecosystems and ecosystem services)プロジェクトの進捗が示されており、新たな開示基準の策定を進めるための方針を示している。なお、本プロジェクトは、既存のIFRS S1およびIFRS S2を補完する位置づけであり、両基準の概念や用語との整合性を前提とする。

アジェンダによれば、開示の対象範囲は特定のテーマや産業に限定せず、企業の事業活動が自然資本やエコシステム・サービスに与える影響や依存関係から生じる、あらゆる自然関連リスク・機会を包含する。森林資源への依存が森林減少や水リスクにつながるように、相互に関連する情報を包括的に開示する考えだ。

ISSBは、投資家の情報ニーズに対応するため、価値連鎖全体を通じて企業の将来見通しに影響し得る重要情報の開示を重視する。また、基準策定にあたっては、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の枠組みや用語、LEAPアプローチを必要に応じて参照する。さらに、GRIや欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)との整合性も検討し、企業の報告負担軽減を図る。

今後、投資家や作成者との対話を通じて2026年10月(COP17:生物多様性条約締約国会議)までに公開草案が出されることが予想される。また、公開草案を策定後には、広範な意見募集を行うことが見込まれる。

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(原文)Objective and scope of standard-setting on nature-related risks and opportunities

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