オックスフォード大学とAICPA及びCIMA、サステナビリティ報告とESGデータ管理の上級講座を開講

6月4日、英オックスフォード大学サイード・ビジネス・スクールと米英の会計士団体AICPA & CIMAは、サステナビリティ報告とESGデータ管理に特化した8週間の機関幹部向けオンライン講座を開講することを発表した。これは両機関にとって2度目の共同企画であり、企業の財務部門やリスク管理担当者が進化する規制に対応しながら、透明性と説明責任を備えたサステナビリティ報告体制を築くための専門的知識と実践的スキルの習得を目的としている。

本講座は、TCFD、ISSB、SASB、ESRSといった国際的に認知された基準に基づいて設計されており、参加者はESG情報の企業価値への統合、テクノロジー活用による高度な情報開示、サステナビリティ保証に備えたガバナンス体制の強化といったテーマに取り組む。講座はマルチメディア教材やウェビナー、講師による少人数セッションを組み合わせた構成となっており、修了者には両機関の署名入りデジタル修了証が授与される。

AICPA-CIMAのESG部門責任者ジェレミー・オズボーンは、同講座は会計・財務専門職にとって組織をサステナブルな方向に導くための重要なツールを提供し、参加者が規制順守だけでなく戦略的な価値創出にも貢献できるようになると強調した。サイード・ビジネス・スクールのアミール・アメル=ザデー准教授は、ESGデータを意思決定の中心に据えることで企業は持続可能性を競争優位に変えることができると述べた。

本講座は、2023年に初めて開講された「ESG and Sustainable Financial Strategy」の後継プログラムとなり、前回は経営戦略全体におけるサステナビリティの考慮に重点を置いた内容であった。新講座では、より技術的かつ実務的な焦点を持ち、10月1日に初回のコホートが開始される予定である。

(原文)Prestigious Executive Program Now Available on Sustainability Reporting and ESG Data Management

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