大規模なエネルギー貯蔵プロジェクトのため、北米のesVoltaが約375億円を調達

1月27日、北米で大規模なバッテリーエネルギー貯蔵プロジェクトを開発・運営するesVoltaは、エネルギー転換投資会社のCaptona LLCが構築した優先株式取引を完了した。同社はこの資本調達とITC(投資税額控除)移転収益の売却を合わせ、総額2億4,300万ドル(約375億円)の投資資金を確保した。

この資金は、esVoltaがテキサス電気信頼性評議会(ERCOT, Electric Reliability Council of Texas)市場で進めている3つのプロジェクトの資金として活用される。これら3施設の合計容量は約1GWhであり、現在建設中で、2025年前半には商業運転を開始する予定である。

米国のエネルギー貯蔵市場は、州の脱炭素化目標、企業の需要拡大、コスト低下といった要因により、2030年までに10倍以上に成長すると予測されている。電力網の近代化とエネルギー貯蔵への投資は、変化するエネルギー需要や気候変動への対応において、信頼性・耐久性・持続可能性の向上に不可欠である。

今回の取引を含め、esVoltaは2024年に約9億ドルを調達している。今回の資金調達により、ERCOTの電力網に対し、迅速に対応可能なクリーンエネルギーリソースを提供し続けることが可能となる。

esVoltaは2017年以来、独立型のバッテリーエネルギー貯蔵施設を構築・運営しており、現在、30以上のプロジェクトを推進しており、その総容量は約25GWhに達する。これらのプロジェクトは、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの変動性を補完し、従来型の化石燃料発電所への依存を減少させることで、電力会社やシステムオペレーターに対し、より安定した電力供給を実現するものである。

【参照ページ】
(原文)esVolta Secures $243 Million Preferred Equity Investment for Three Standalone Battery Energy Storage Projects
(日本語参考訳)esVolta、3つの独立型バッテリーエネルギー貯蔵プロジェクトに2億4,300万ドルの優先株投資を確保

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