Comcast、初の約1,320億円規模のグリーンボンドを発行

2月9日、世界的なメディア・コミュニケーション企業であるComcastは、同社初のグリーンボンドの募集を発表し、10億ドル(約1,320億円)を調達した。10年債の収益は、2035年までにカーボンニュートラルになるという目標を含む、同社の環境維持のための目標を支援することを目的としている。

今回の募集は、Comcastが先月発表した「Green Financing Framework」に基づくもので、グリーンボンドの募集に際しての資金使途、プロジェクトの評価・選定、資金調達の管理、報告義務に関するガイドラインの概要が示されている。

本フレームワークで認められるグリーン投資のカテゴリーには、オンサイト再生可能エネルギープロジェクトのインフラや長期電力購入契約などの再生可能エネルギー、オフィスや業務におけるエネルギー使用を最小限に抑えるプロジェクトや消費者機器のエネルギー効率改善などのエネルギー効率、第三者によるサステナビリティ認証を受けた建物の建設などのグリーンビルディング、キャンパス、コミュニティ、都市、EVの購入やEV充電インフラの設置などのクリーン輸送、製品への持続可能な素材の使用やプラスチックや電子廃棄物の削減などの循環型経済対応の製品、生産、技術、プロセスが含まれる。

Comcastは、2035年のカーボンニュートラル目標を2021年に発表している。同社による最近の気候変動に焦点を当てた取り組みには、クリーンエネルギーソリューションのサプライヤーであるConstellationとカーボンフリーの太陽光発電を250MW調達する長期契約を締結したことや、2030年までにネットワークにおけるデータ単位あたりの消費電力を半減させるという誓約が含まれている。

同社によると、本取引は、マイノリティや女性が経営する証券会社を含むコンソーシアムが主導したとのことだ。本案件のブックランナーには、退役軍人が経営する Academy Securities, Inc.、アフリカ系アメリカ人が経営する Loop Capital Markets LLC、ヒスパニック系が経営する Samuel A. Ramirez & Company, Inc.、アフリカ系および女性が経営する Siebert Williams Shank & Co., LLC などが名を連ねている。

【参照ページ】
Comcast Issues $1 Billion Green Bond to Fund Clean Energy, Infrastructure Projects

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-18

    EC、サステナビリティ報告に「緊急修正措置」 先行企業の負担を軽減

    7月11日、欧州委員会は欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に対する的を絞った「緊急修正措置」…
  2. 複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    2025-7-17

    複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    サステナビリティ情報開示の実務の“今”に応じたオリジナル解説記事のご案内 サステナビリティ情…
  3. 2025-7-17

    カリフォルニア州、企業の気候情報開示でFAQを発表 – 報告義務の具体策示す

    7月9日、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、州内で事業を行う大企業に温室効果ガス(GHG)…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る