NAVEX Globalが発表した新しい調査結果によると、企業のコンプライアンス機能とESG機能が急速に融合しつつあり、一貫したESG報告と測定基準の必要性が浮き彫りになった。
この調査は、市場調査会社のOnePoll社が実施したもので、2021年9月から10月にかけて、米国、英国、フランス、ドイツの規制、財務、人事のコンプライアンス管理者および上級管理職400人から回答を得た。回答者は全員、従業員数500人以上の企業に勤務している。
調査結果によると、コンプライアンス管理者および経営者の約90%が、ESG報告が自社のコンプライアンスプログラムの一部として含まれていると回答した。また、ESGレポートがコンプライアンスプログラムに含まれていないと回答した人のほとんどが、レポートを含めるべきだと強くまたはやや同意している。
また、本調査では、回答者の組織におけるESG報告の状況についても把握することができた。NAVEXによると、今回の調査結果は標準化されたサステナビリティの測定と報告の必要性を示しており、企業は情報開示のためにさまざまなフレームワークを使用しており、中には複数のフレームワークに従っているところもある。ESG報告のフレームワークや基準を見ると、SASBが最も多く45%使用されており、次いでTCFDが40%、GRIが39%、CDPが25%となっている。
ESG報告の責任は組織によって異なり、43%がコンプライアンス部門が責任を負うと回答し、次いで財務部門が21%、ESG専門部門を使っているのは9%だった。
企業が開示するESG課題の中では、環境とエネルギーの要素が圧倒的に多く、回答者が報告するESG指標の上位5項目のうち4項目を占めていました。エネルギー管理」(47%)、「データセキュリティ」(39%)、「温室効果ガスの排出」(39%)、「大気の質」(38%)、「廃棄物および危険物の管理」(35%)などが上位に含まれている。
また、「人権・地域社会との関わり」について報告していると回答したのは25%、「従業員のエンゲージメント・多様性・インクルージョン」について報告していると回答したのは27%にとどまった。
【参照ページ】
(原文)Global Compliance Survey Highlights Convergence of Environmental, Social and Governance (ESG) and Compliance Programs
(日本語訳)企業のESGとコンプライアンス機能の融合 NAVEX調査。