マイクロソフト、AIデータセンターの電力価格・水資源への影響回避を明確

1月13日、米IT大手のMicrosoftは人工知能(AI)向けデータセンターの新設・拡張にあたり、地域社会への負荷を抑えることを目的とした「コミュニティ・ファーストAIインフラ」構想を発表した。電力価格の上昇回避や水資源の保全を明確に打ち出し、AIインフラをESG(環境・社会・ガバナンス)の重要課題として位置づける。

AIの急速な普及を背景に、データセンター建設は全米で加速している。一方で、電力需要の急増や水使用量の拡大に対する地域住民の懸念も高まっている。こうした状況を踏まえ、同社は「AIインフラの成長は地域の信頼なしには成り立たない」として、従来以上に地域社会との共存を重視する姿勢を示した。

構想の柱の一つが電力対策だ。同社は、データセンター向けの電力供給に伴う送電網強化や発電能力拡張のコストを自社で負担し、一般家庭の電気料金に転嫁しない方針を掲げた。電力会社や州規制当局と連携し、大口需要家としての専用料金制度の導入も進める。

水資源については、冷却技術の高度化や閉ループ型システムの導入により使用量の削減を図る。2030年までに水使用効率を40%改善するとともに、使用量を上回る水を地域に還元する「ウォーター・ポジティブ」を目標に、漏水対策や湿地再生などのプロジェクトに投資する。

社会面では、データセンター建設・運営に伴う雇用を地域住民が担えるよう、職業訓練や見習い制度を拡充する。さらに、固定資産税の適正な納付を通じて、病院、学校、図書館、公園など地域公共サービスの財源強化にも貢献するとした。

加えて、AI時代に必要なスキルを地域で育成するため、学校や図書館、非営利団体と連携したAI教育・リスキリング支援も行う。データセンター立地地域を、AIの恩恵を最初に享受できるコミュニティとする狙いだ。

同社幹部は「AIは経済成長や社会課題解決に大きな可能性をもたらすが、その基盤となるインフラは環境と地域社会への責任を伴う」と強調する。AIインフラ投資が拡大する中、企業のESG対応力が競争力を左右する局面に入りつつある。

(原文)Building Community-First AI Infrastructure

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