オランダ年金基金PME、ブラックロックとの運用契約を終了 株式ポートフォリオ戦略を見直し

12月15日、オランダの年金基金PMEは15日、株式ポートフォリオ戦略の次の段階に進むとして、外部資産運用会社の見直しを実施したと発表した。ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した投資方針の下、これまで株式運用を委託していた米ブラックロックとの関係を終了し、今後は運用会社を3社から2社に集約する。
PMEは「良い年金の実現」を投資戦略の中核に据え、投資先企業を厳選した銘柄数を抑えた株式ポートフォリオの構築を進めている。投資対象を絞ることで、リスク・リターンとサステナビリティのバランスを高め、投資内容への理解を深める狙いだ。
同基金は2022年から、気候変動や環境影響、労働条件や賃金などの社会的要素、取締役会構成や透明性といったガバナンスを柱とするESGフレームワークを策定。これを基に、2024年には先進国市場の約1,000社で構成されるESGインデックス・ポートフォリオを構築した。これに約250社に絞った重点投資ポートフォリオを組み合わせ、「ポートフォリオ・オブ・トゥモロー(未来のポートフォリオ)」と位置付けている。
PMEはこのESGインデックス・ポートフォリオの運用過程で、外部運用会社の評価も実施。その結果、ブラックロックは同基金のビジョンや新たな投資原則との整合性の観点から、今後の運用委託先として選ばれなかった。PMEは声明で、ブラックロックが長年にわたり高品質な運用サービスを提供してきた点には謝意を示した上で、戦略上の判断であることを強調した。
今回の見直しによって、投資のリスクや期待収益率は変わらないとしており、運用会社数の削減により、コストはわずかに低下する見込みだとしている。
PMEは今後も、ESG原則に基づく選別的な投資を通じて、安定した年金給付と持続可能な社会への貢献を両立させる方針だ。
(原文)PME takes next step in new equity portfolio strategy
(日本語参考訳)PME、新たな株式ポートフォリオ戦略で新たな一歩を踏み出す

