米連邦職員年金のESG・DEI活用を禁止する法案を提出

11月25日、テッド・クルーズ米上院議員(共和、テキサス)は、連邦政府職員の退職年金制度「スリフト貯蓄制度(TSP)」におけるESG(環境・社会・ガバナンス)およびDEI(多様性・公平性・包摂)関連の議決権行使を制限する法案「Stop TSP ESG Act」を提出した。

法案は、TSPの運用を担う資産運用会社が、投資家である連邦職員の年金資金を用いてESG・DEI関連の企業株主議決を推進することを禁止する内容。TSPは1兆ドル超の資産を保有しており、主にブラックロック傘下のBlackRock Capital AdvisersやState Street Global Advisorsが運用している。これらの運用会社は、TSPの株式保有分を通じてESG・DEI政策を後押ししていると指摘されている。

クルーズ議員は声明で、「国民は、自らの退職資金が最も財政的に健全な形で運用されているという確信を持つべきだ。だが現実には、運用会社が投資家の利益と相反するESGやDEIの議題を押し進めている」と批判。「本法案はその慣行を終わらせ、責任を取り戻すものだ」と述べ、迅速な成立を呼びかけた。

法案は、ESG・DEIをめぐる政治論争が続く中で提出されたもので、今後議会での審議が注目される。

(原文)Sen. Cruz Introduces Bill to Stop Abuse of Federal Retirement Funds for DEI and ESG
(日本語参考訳)クルーズ上院議員、DEIとESGのための連邦退職基金の認可を阻止するを提出

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