米テック大手、アイオワ州原子力発電所の再稼働へ—AI需要拡大に対応

10月27日、グーグルは、ネクステラ・エナジーとの新たな協力により、アイオワ州唯一の原子力発電所「デュアン・アーノルド・エナジーセンター(DAEC)」を再稼働させる計画を発表した。米国内での原子力導入加速を目指す取り組みの一環である。

同発電所は2029年初頭の送電網復帰を見込んでおり、600MW超のクリーンで安全かつ常時稼働可能な原子力エネルギーを地域電力網に供給する予定だ。これにより、同社がアイオワ州で拡大させているクラウドおよびAIインフラの電力需要を支え、州内に多数の雇用と大きな経済効果をもたらすとしている。

合意内容には、再稼働に向けた投資を後押しする仕組みが含まれ、同社がDAECの発電コストを負担する。再稼働済みの原子炉を活用することで、大規模な原子力供給を短期間で確保できる点が評価されている。

この取り組みは、同社が進める多様な電力確保戦略の一部であり、以下を含む広範なエネルギー施策と連動している。

  • 新たなクリーン電源の導入支援
  • 電力需要の柔軟化
  • 次世代送電技術の展開

米国ではAIやデータセンターの電力需要が急拡大する中、原子力は信頼性と規模の面で有力な選択肢として再評価が進む。今回の再稼働は、アイオワ州の電力供給基盤を強化するとともに、クリーンエネルギー導入を後押しする動きとして注目される。

(原文)Our new agreement with NextEra Energy will bring Iowa’s only nuclear plant back to life.
(日本語参考訳)NextEra Energy との新しい契約により、アイオワ州唯一の原子力発電所が再び稼働することになります。

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