TNFD開示を効果的に進めるには:投資家のニーズと開示のポイント

TNFD開示を効果的に進めるには:投資家のニーズと開示のポイント

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に基づく開示は、国際的に重要性を増しており、多くの企業が積極的な取り組みを始めている。しかし、複雑な自然関連のリスク・機会の分析や指標設定の難しさから、TNFD開示の内容が投資家のニーズに合致しているか不安に感じる企業も少なくないだろう。

本稿では、IFRS(国際会計基準)のISSB(国際サステナビリティ基準審議会)が実施した調査に基づき、投資家が自然関連のリスク・機会の開示(TNFD開示)に何を求めているかを解説し、効果的な開示のポイントを紹介する。

投資家が求める自然関連のリスク・機会(TNFD開示)の要件

ISSBの「生物多様性、生態系および生態系サービス(BEES)」に関する調査では、投資家が自然関連のリスク・機会に高い関心を持っていることを示されている。一方、気候変動関連開示(TCFD)のような統一的な単一指標が未確立であることが課題となっている。

本調査によれば、投資家は、自然関連のリスク・機会の開示に対しては、包括的なガバナンス、現実的な移行計画、リスク評価におけるロケーション情報など、TNFD開示の4つの柱とも関連する情報開示を求めている。また、サプライチェーン全体での開示も投資家が求めている情報であるとされている。

次の章では、投資家が具体的に何を求めているのかについては、この先の記事で詳しく解説していく。TNFD開示の要件とも重なるところがあり、現状の開示とのニーズとの合致を確認することができるだろう。


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執筆者紹介

竹内 愛子 (ESG Journal 専属ライター)
大手会計事務所にてサステナビリティ推進や統合報告書作成にかかわるアドバイザリー業務に従事を経て、WEBディレクションや企画・サステナビリティ関連記事の執筆に転身。アジアの国際関係学に関する修士号を取得、タイタマサート大学留学。専門はアジア地域での持続可能な発展に関する開発経済学。

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