
9月16日、米テキサス州のケン・パクストン司法長官は世界の議決権行使助言市場の大半を占めるグラス・ルイス(Glass Lewis)とインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)の2社に対し、調査を開始したと発表した。両社が投資家や上場企業に対し、経済合理性よりも政治的な意図を優先した助言を行っている可能性があると指摘している。
グラス・ルイスとISSは、株主総会における議決権行使の推奨や分析を行い、機関投資家や大企業にとって重要な意思決定の参考となっている。両社の市場シェアは95%以上とされ、企業統治に大きな影響力を持つ存在だ。
パクストン長官によれば、両社は「多様性・公平性・包括性(DEI)施策やジェンダーに基づく採用配分、積極的な気候変動対策」などを支持する議決推奨を一律に行う傾向があり、その裏付けとして十分な経済的分析を示していないとの見方を示した。
司法長官室は今回、消費者保護法に基づく民事調査要求(CID)を発出した。重要な事実の不開示や誤解を招く助言が行われていなかったかを精査する方針だ。
米企業統治における議決権行使助言会社の影響力は巨額の資金を動かす規模に及んでおり、今回の調査は全米の投資家や企業経営にも波及する可能性がある。
(原文)Attorney General Ken Paxton Investigates Proxy Advisors Glass Lewis and ISS for Misleading Public Companies to Push Radical Agenda
(日本語参考訳)ケン・パクストン司法長官は、上場企業を欺いて過激な政策を推進したとして、議決権行使助言会社グラス・ルイスとISSを捜査している。