NovataとS&PがESGデータ管理で提携拡大―Scope 1〜3排出量からCSRD対応まで一元支援

9月15日、プライベート市場向けのESGデータ管理を手がけるNovataは、S&P Globalのサステナビリティ部門であるSustainable1との提携を拡大し、企業および投資家向けに統合的なサステナビリティ・データ管理ソリューションの提供を開始したと発表した。NovataのプラットフォームとS&P Globalの豊富な知見を組み合わせることで、排出量の算定から各国規制への対応、ベンチマーク指標との比較まで、ワンストップで管理可能となる。

今回の拡張提携により、企業と投資家は以下の3領域において支援を受けられる:①「Carbon」領域では、NovataのCarbon Navigatorを使ってScope 1、2、3の排出量を可視化し、S&P GlobalのTrucostデータセットを活用することで精緻な排出量管理が可能になる。②「Regulatory」領域では、EUのCSRDやISSB、米国の気候開示規制などに対応するための監査可能なデータ収集・報告機能を提供。③「Benchmarking」領域では、S&P GlobalのCorporate Sustainability Assessment (CSA) を活用し、業界内でのパフォーマンス比較が容易になる。

S&P Global Commodity InsightsのLeanne Toddは「顧客の現在地に合わせたサステナビリティ・インテリジェンスを提供することが重要」と述べており、Novataのアレックス・フリードマンCEOも「企業規模を問わず、サステナビリティをレジリエンスと価値創造の原動力とするための一歩」と語った。両社の共同プラットフォームは、中堅・中小企業を含む多様な企業にとって、気候リスク管理やサステナビリティ報告を加速させる重要な手段となりうる。

S&P Globalは、Novataが2021年にローンチされた際から支援団体の一員であり、今回の提携拡大はその協業関係の深化を示している。今後、両社の連携によって、企業のESG対応がコストセンターから競争優位の源泉へと進化していく可能性が注目される。

(原文)Novata and S&P Global Sustainable1 Expand Collaboration to Transform Sustainability Data Management

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