
6月11日、カナダの人気アスレチックウェア大手ルルレモンは、オーストラリアの革新的なリサイクル企業サムサラ・エコと、今後10年間の再生原料に関する長期購入契約を締結したと発表した。化石燃料由来の素材への依存を減らし、製品の循環型エコシステム構築を加速させる狙い。
この契約により、ルルレモンは将来的に必要となるナイロンやポリエステルのうち、最大で約20%をサムサラ・エコの再生素材で賄う可能性がある。
サムサラ・エコは、独自開発した酵素を用いてプラスチックを分子レベルの原料まで分解する「酵素リサイクル技術」を持つ。この技術により、従来はリサイクルが困難だった繊維製品や混合プラスチックからも、新品同様の高品質なナイロンやポリエステルを再生できるという。
両社はこれまでも協力関係にあり、昨年には世界初となる酵素リサイクル技術を用いたナイロン6,6製の試作品や、限定版の再生ポリエステル製ジャケットを発表している。
ルルレモンのテッド・ダニース最高サプライチェーン責任者は「循環型素材の拡大には、大胆なパートナーシップが不可欠だ。我々のビジョンを現実にするための強力な一歩だ」とコメントした。
世界の繊維生産量の約6割を占めるポリエステルとナイロンのリサイクルは、アパレル業界の長年の課題だった。サムサラ・エコは需要拡大に対応するため、豪州ニューサウスウェールズ州に新工場を開設するほか、2028年には国際的な商業施設も開く計画だ。大手ブランドが先進的なリサイクル技術を本格採用する動きとして、業界の注目を集めている。
(原文)lululemon and Samsara Eco Announce 10-Year Plan to Advance Recycled Material Portfolio
(日本語参考訳)ルルレモンとサムサラ・エコ、リサイクル素材のポートフォリオ拡大に向けた10年計画を発表