アップル、毎年数十億ガロンの水を節約する取り組みを強化

4月16日、アップルは、2015年を基準としたバリューチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量を60%削減したことを含む、一連の環境持続可能性のマイルストーンを発表した。この成果は、アップルの年次環境進捗報告書の発表とともに明らかにされた。

この60%の削減は、2020年にアップルが掲げた目標に向けた重要な進展を示している。アップルは2030年までに、事業全体、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルを通じてカーボンニュートラルを達成することを目指している。この目標には、2030年までに75%の排出削減を達成し、残りの排出量を高品質なカーボンクレジットで補うことが含まれている。

アップルのGHG排出削減の進展に寄与している主な要因の一つは、製品製造からの排出削減であり、これは同社のGHGフットプリント全体の半分以上を占めている。報告書によれば、過去4年間でアップルは製造からの排出をほぼ半減させ、2020年の1610万トンから2024年には820万トンに削減した。特に過去1年間で13%の削減を達成している。

サプライチェーンの排出削減に向けたアップルの主要な取り組みの一つは、サプライヤーによる再生可能エネルギーの利用拡大である。アップルのサプライヤー行動規範は、2030年までにアップルの全製造サプライチェーンが100%再生可能電力を使用することを求めている。報告書によれば、アップルのグローバルサプライチェーンには現在18.9GWの再生可能電力容量があり、前年から15%増加している。2024年には、サプライヤーが調達した再生可能エネルギーにより、2180万メートルトンのGHG排出が回避され、さらにエネルギー効率の最適化を通じて200万トンが回避された。

アップルは他の持続可能性の成果も報告しており、すべての磁石に99%以上のリサイクル希土類元素を使用し、すべてのApple設計バッテリーに100%リサイクルコバルトを使用している。また、2024年にはアップルのゼロウェイストプログラムを通じて60万メートルトンの廃棄物が埋立地から転用され、新しいMacBook Airには55%以上のリサイクル素材が使用されている。さらに、サプライヤークリーンウォータープログラムに参加するサプライヤーの平均淡水再利用率は42%に達している。

(原文)Apple unveils environmental progress, surpassing 60 percent reduction in global greenhouse gas emissions
(日本語参考訳)アップル、環境面での進展を発表 世界全体の温室効果ガス排出量60%削減を突破

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