CarbonCapture、120億円調達。アマゾン、アラムコ、シーメンス等が出資

3月12日、カリフォルニア州を拠点とする気候技術企業CarbonCaptureは、8,000万ドル(約120億円)の資金を調達したと発表した。本資金は、同社のDAC(Direct Air Capture)炭素除去システムの開発と展開に使用される。

DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気からCO2を直接抽出して原料として使用したり、貯蔵と組み合わせることで永久的に除去したりする技術である。画期的な2022年の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大するCO2除去方法が含まれ、DACはその大部分を占める可能性を持つ。

2019年に設立されたCarbonCaptureは、固体吸着剤を使用して大気からCO2を効率的に吸収するDAC装置を製造している。同社はモジュール式でアップグレード可能な捕捉システムを採用しており、次世代吸着剤が利用可能になった時点で交換できるため、施設全体を新たに建設する必要がなく、長期的なコスト削減が可能になる。CarbonCaptureは現在、炭素貯蔵開発会社のFrontier Carbon Solutionsと共同で、ワイオミング州の新しいDACプロジェクト「Project Bison」を開発している。本プロジェクトは、2030年まで複数の段階を経て開発され、年間500万トンの回収・貯留能力を達成する予定である。

2023年、同社は、マイクロソフト、ボストン・コンサルティング・グループ、アマゾンなどの企業と5万5,000トン以上のCO2を除去するオフテイク契約を締結し、2,600万ドル(約40億円)の炭素除去クレジットを獲得した。

今回のシリーズA資金調達には、アマゾンのClimate Pledge Fund、アラムコ・ベンチャーズ、シーメンス・フィナンシャル・サービスなどの戦略的投資家が新たに加わった。カーボン・キャプチャーは、今回の資金調達により、さらなる技術開発を支援し、同社のモジュラーDACシステムの初期導入の実地化を進めると述べている。

【参照ページ】
(原文)CarbonCapture Inc. closes $80 million Series A financing
(日本語参考訳)CarbonCapture、120億円調達。アマゾン、アラムコ、シーメンス等が出資

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