3月6日、リサイクルに特化したAI・ロボット企業のGlacierは、より多くの素材をリサイクルできるようにし、無駄を省き、排出量削減に貢献することを目的とした同社の成長と能力を支援するため、770万ドル(約11億円)を調達したと発表した。
今回の資金調達ラウンドは、ベンチャー投資家のニュー・エンタープライズ・アソシエイツとアマゾンのClimate Pledge Fundが主導し、AlleyCorp、Overture Climate VC、VSC Venturesなどの投資家が追加参加した。
サンフランシスコを拠点とするGlacierは、レベッカ・フー(Rebecca Hu)氏とアリーブ・マリク(Areeb Malik)氏によって2019年に共同設立され、多くのリサイクル可能な素材がリサイクルの流れに乗るのを妨げている問題に対処するため、分別とリサイクル率の向上を目的としたソリューションを提供している。
同社はAIを搭載したロボットを使ってリサイクル品の選別を自動化し、リサイクル企業や消費者ブランド向けにリサイクルの流れに関するデータをリアルタイムで収集している。本技術は、煩雑なリサイクル機器を、人と同じ設置面積を占めるロボットに置き換えるもので、重機や施設のダウンタイムなしに設置可能。Glacierによると、本ソリューションは、食料品袋やゴミ袋のような、従来のリサイクル工程では選別が困難な素材を含む、30種類以上の素材を識別することができる。
新たな投資に加え、Amazonは、プラスチックの使用量を削減し、生物由来の素材や生分解性、堆肥化可能な素材を使用する方向へシフトするというAmazonのビジョンを支援することを目的とした、新しいバイオマテリアルの選別プロジェクトを試験的に実施するために、Glacierと協力することも発表した。
Amazonの投資は、20億ドル(約3,000億円)のClimate Pledge Fundを通じたもので、炭素ゼロ経済への移行を促進する製品やサービスを開発する先見性のある企業を支援するベンチャー投資プログラムである。今回の投資は、女性が経営する気候テック企業を支援することを目的とした、Climate Pledge Fundによる5,300万ドル(約80億円)のコミットメントの一環である。
Glacierは、今回の投資で得た資金を、チームの拡大と、Amazonとの協業をサポートするためのリサイクル能力の強化、リサイクル可能な材料のトレーサビリティと回収プロセスの強化に充てるという。
【参照ページ】
(原文)How Amazon’s latest Climate Pledge Fund investment is transforming recycling through AI and robotics
(日本語参考訳)アマゾン、Glacierの11億円増資を支援。AIとロボットでリサイクル促進