米国9州政府、2030年までに高効率ヒートポンプの普及を目指す共同目標に署名

2月6日、米国9州政府が不動産からの二酸化炭素排出量を削減するための共同目標に署名した。本目標は、住宅用暖房・冷房・給湯機器の出荷量に占める高効率ヒートポンプの割合を2030年までに65%にするものである。

カリフォルニア州、コロラド州、メイン州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州の9州がこの共同目標に署名し、Northeast States for Coordinated Air Use Management(NESCAUM)が主導した。

共同目標では、2030年までにヒートポンプが住宅用暖房、空調、給湯機器の販売台数の65%以上を占めることを目指し、2040年までには参加州全体で90%に引き上げることが宣言されている。各州は市場データを収集し、進捗状況を追跡し、1年以内に行動計画を策定する予定である。

全米25州・準州知事が加盟している米国気候同盟は、2023年9月に2030年までにヒートポンプ導入量を4倍に拡大することを表明しており、今回の共同声明と整合性がある。この共同声明は、ヒートポンプメーカーや空調制御システム(HVAC)設置事業者を含む主要なステークホルダーに市場の予測可能性を提供することを目的としている。

この発表を受けて、米ESG投資推進NGOのCeresは歓迎声明を発表した。同声明には、シーメンス、シュナイダーエレクトリック、イケア、JLL、キャリア、バートン、eBay、ジョンソンコントロールズ、DSMなどの企業も署名している。

【参照ページ】
Nine States Pledge Joint Action to Accelerate Transition to Clean Buildings

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る