10月26日、ビジネス・金融市場情報サービスプロバイダーのブルームバーグと気候金融リスクデータ分析プロバイダーのRiskthinking.AIは、企業や投資家が洪水、干ばつ、山火事などの気候関連リスクへのエクスポージャーを評価・理解できるようにすることを目的とした、科学的根拠に基づく新たな物理的リスク指標を発表した。
両社によると、欧州のCSRDや国際財務報告基準(IFRS)の持続可能性開示基準など、新たな報告制度において、規制当局が気候関連リスクの開示を求める動きを見せており、また、異常気象へのエクスポージャーを測定することが投資家にとってもますます重要になってきていることから、新たな指標の発表に至ったという。
新しい物理的リスク指標は、気候変動に関する科学的評価を行う国連の機関である気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が承認したすべての気候シナリオを考慮した初めてのもので、テールリスク事象を含む、将来起こりうる多くの結果を考慮したアプローチを可能にする。
本指標は、ブルームバーグが保有する約5万社の製造拠点、エネルギープラント、採掘事業、オフィスビル、小売拠点など100万件以上の物理的資産に関するデータと、Riskthinking.AIが保有する世界的な気候変動予測に関するきめ細かなデータセットおよび独自の手法を組み合わせ、企業の物理的リスク・エクスポージャー・レベルを算出する。また、ブルームバーグのグローバルサプライチェーンデータと組み合わせることで、主要サプライヤーの物理的脆弱性を明らかにすることもできる。
本ソリューションはまた、CSRD、TCFDの勧告、IFRSのサステナビリティ開示基準に沿って、気候関連リスクに関する報告の基礎となる計算を詳述した文書へのアクセスも提供する。
新指標の発表は、ブルームバーグが昨年Riskthinking.AIに出資し、金融システムに与える気候関連の影響をより深く把握するための高度なリスクモデリング技術の活用を模索するパートナーシップを結んだことに続くものである。
【参照ページ】
(原文)Bloomberg and Riskthinking.AI Launch Physical Risk Indicators to Reveal Exposure to Severe Climate Events
(日本語参考訳)ブルームバーグとRiskthinking.AI、深刻な気候変動へのエクスポージャーを明らかにする物理的リスク指標を発表