グラフェン「超素材」スタートアップのLyten、脱炭素が困難なセクターのため約290億円を調達

グラフェン「超素材」スタートアップのLyten、脱炭素が困難なセクターのため約290億円を調達

9月12日、先端技術企業であるLytenは、2億ドル(約290億円)を調達したと発表した。本資金調達で得た資金は、同社の3Dグラフェンスーパーマテリアルに基づき、GHGを排出する最大級のセクターのいくつかに脱炭素ソリューションを提供し、一連の新製品の生産規模を拡大することを目的としている。

2015年に設立されたカリフォルニアに本拠を置くLytenは、最も脱炭素化が困難ないくつかのセクターの脱炭素化のために、同社の3Dグラフェンを活用したアプリケーションを開発している。2Dグラフェンは炭素原子の単層シートで、鋼鉄よりも強く、ゴムよりも柔軟で、銅よりも電気伝導性が高く、超軽量であるなどの特性を持つ。同社の3Dグラフェンは、その特性を他の材料に注入することを可能にすることで、スーパーマテリアルの商品化を可能にする。

本資金調達で支援される新しい製品ラインには、ニッケル、コバルト、マンガン、グラファイトを使用せず、CO2排出量を抑えた次世代リチウム硫黄電池、自動車、航空、産業などの用途で構造強度と衝撃強度を維持しながらプラスチック使用量を半分まで削減できる軽量複合材料、自動車、産業、健康、安全用途で検知能力を向上させる高度なセンサーアレイなどがある。

Lytenは、ステランティス社やフェデックス社を含むフォーチュン500の企業や、米国政府と新製品の供給について協力していると述べた。同社は、今年中に最初の商業用複合材料アプリケーションを顧客に提供する予定である。

【参照ページ】
(原文)PRESS RELEASE: Lyten Raises $200M in Series B Equity Round
(日本語訳)グラフェン「超素材」スタートアップのLyten、脱炭素が困難なセクターのために2億ドルを調達

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る