アストラゼネカ、森林再生プログラムに約578億円を拠出

アストラゼネカ、森林再生プログラムに約578億円を拠出

6月28日、世界的な製薬企業であるアストラゼネカは、森林再生と生物多様性に焦点を当てたプログラム「AZ Forest」を大幅に拡大し、新たに4億ドル(約578億円)を投資するとともに、2030年までに2億本の植樹を約束することを発表した。

アストラゼネカは2020年にAZ Forestを立ち上げ、2025年末までに5,000万本以上の木を植林し維持することを当初の誓約とした。生態系と地域社会の回復力の構築に加え、気候変動対策、自然再生、生物多様性の促進に貢献することを目指している。

同社の最新のサステナビリティ・レポートによると、2022年末時点で、オーストラリア、インドネシア、ガーナ、英国、米国、フランスを含む国々で、300種以上、1,050万本以上の植樹が行われ、生物多様性と自然生息地の回復を可能にしている。

本発表によると、アストラゼネカは、ブラジル、インド、ベトナム、ガーナ、ルワンダを含む国々で、新たなプロジェクトを拡大・追加する予定である。本プログラムは世界中で10万ヘクタール以上に及び、推定8万人の生計にプラスの影響を与え、大気から約3000万トンのCO2を除去する。

植林だけでなく、プログラムには樹木の長期的な生存を保証するための取り組みも含まれている。同プログラムには、リモートセンシング、高解像度画像の使用、樹木の健康状態、土壌や水質、生物多様性、炭素隔離などの要素を追跡するための長期モニタリングが含まれる。同社はまた、欧州森林研究所(EFI)および循環型バイオエコノミー・アライアンス(CBA)と提携し、持続可能で回復力があり、地域に適した景観再生のための科学的根拠に基づく枠組みを発表した。

アストラゼネカによると、本プログラムは同社のサステナビリティ戦略「アンビション・ゼロ・カーボン」の一環である。本戦略は、2026年までに事業と車両からの温室効果ガス(GHG)排出量を98%削減し、2030年までにバリューチェーンからの排出量を50%削減、2045年までに絶対排出量を90%削減するという目標を掲げている。同社は2030年以降、AZ Forestを通じて残留排出量に対処することを目指している。

アストラゼネカは、2021年にScience Based TargetsイニシアティブのNet Zero Standardの下で気候変動目標を認証された世界初の7社のうちの1社である。

【参照ページ】
(原文)AstraZeneca announces $400 million investment in reforestation and biodiversity in support of climate action and human health
(日本語参考訳)アストラゼネカ、森林再生プログラムに約578億円を拠出

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. GXの全貌と実務への影響~企業が今取り組むべき脱炭素戦略

    2025-7-16

    GX/GX-ETSと実務への影響~企業が今取り組むべき脱炭素戦略

    ※本記事は、2025年3月に発行した記事に最新のGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(…
  2. 2025-7-15

    ESGフロントライン:移行計画の“実行力”が企業価値を左右する時代へ

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-7-15

    ESRS開示項目66%削減案へEFRAGが草案公表。ダブルマテリアリティ評価も負担軽減

    7月、欧州のサステナビリティ報告基準を策定する欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、欧州サステ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る