5月2日、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏は、州や地方の投資決定や調達プロセスにおいてESG要素を考慮することを禁止する規則を含む、一連の徹底した反ESG対策に署名した。
同法の成立は、共和党主導の反ESG運動にとって重要な一歩となる。また、最近、連邦レベルでは、ERISAプランの投資決定においてESG要素を考慮することを認めるDOLルールを覆す動きがあったが、バイデン大統領によって拒否権が発動された。
【関連記事】バイデン氏、反ESG決議案を拒否権発動
知事室は、同法案の署名に伴う声明の中で、本法律はESG運動から「フロリダ州民を守る」ことになると述べた。また、ESG運動を、「受益者のために最善の財務決定を行う受託者の義務よりも政治を優先し、金融セクター全体に覚醒した政治イデオロギーを注入しようとする世界規模の取り組み」と表現した。
2月に当初提案された新法は、州・地方レベルのあらゆる意思決定におけるESGの使用を防ぎ、州・地方政府が調達・契約プロセスにおいてESG要素を考慮することを禁止し、さらに州・地方政府による債券発行においてESG要素を使用することを禁止する。
新法に基づく追加規則には、銀行業務や融資業務における「社会的信用スコア」の使用禁止、「企業活動」に従事する銀行が適格公的預託機関として政府資金を保有することの禁止などがある。
デサンティス氏は、昨年、州年金基金のファンドマネージャーがESG要素を投資プロセスに組み込むことを禁止し、最近では、ESG要素の使用を理由にBlackRockから20億ドル(約2,700億円)を引き上げた、最も声高な反ESG論者の一人である。
DOLのESG規則を支持したバイデン大統領の拒否権に対抗して、デサンティス氏は、反ESGの行動やイニシアティブを調整するために、州知事の同盟を結成した。知事室は声明で、新法は同盟に参加した約20州の「青写真」となる、と述べている。
【参照ページ】
(原文)Governor Ron DeSantis Signs Legislation to Protect Floridians’ Financial Future & Economic Liberty
(日本語参考訳)フロリダ州知事、反ESG規則を法律として署名