10月4日、ドイツ最大の電力会社であるRWEは、石炭火力発電からの撤退を大幅に加速し、目標を8年前倒しして2020年に実施すると発表した。同社によると、撤退を加速する決定により、約2億8000万トンの石炭が地中に残り、2億8,000万トンのCO2が排出されなくなるという。
RWEによると、今回の決定は同社と連邦経済・気候保護省、ノルトライン=ヴェストファーレン州経済・産業・気候変動・エネルギー省との間の合意の一部である。
昨年、ドイツの新政権は、石炭火力発電からの撤退を加速させることを含むクリーンエネルギー戦略を打ち出した。今年初めには、2030年までに国内の電力需要の80%を自然エネルギーで賄うという目標を含め、今後数年間で自然エネルギー開発を大幅に増加させることを承認する一連の法律を可決している。
RWEは、石炭が段階的に廃止されてもドイツのエネルギー供給がリスクにさらされないようにするため、”風力発電所や太陽光発電所の大規模な拡張、貯蔵施設、将来的に水素で運用できる最新鋭のガス火力発電所の形で追加的に確保した容量 “など、エネルギー転換に向けた大規模な投資と開発の必要性を強調した。
RWEは、2030年までにグリーンコア事業でこれらの技術を推進するために、ドイツに計上した150億ユーロ(約2兆1,207億円)を含め、世界で500億ユーロ(約7兆691億円)以上を投資すると述べている。
また、同社は石炭からの撤退が従業員に与える影響についても認めており、10年末に向けて人員削減が加速する見込みである。RWEは、人員削減を「社会的責任のある方法」で実施するつもりであると述べており、これには若手従業員に対し、社内または他の雇用主での機会について概要を説明し、大規模な資格取得や再教育の措置を講じることも含まれるという。
【参照ページ】
(原文)Agreement on coal phase-out 2030 and strengthening security of supply in the energy crisis
(日本語訳)RWE、2030年までに石炭から撤退することを約束