7月26日、オーストラリアの新政権は、5月のアンソニー・アルバネーゼ首相の選出後初の議会で、同国の排出量削減目標を初めて法制化する法案を提出した。
当法案では、2030年までに温室効果ガスを2005年比で43%削減し、2050年までに排出量ゼロを達成する目標を掲げている。
オーストラリアの気候変動に関する公約は、2022年5月の選挙に向けた政府の重要な選挙公約の一つとなっている。スコット・モリソン首相率いる前政権は、2050年のネット・ゼロ目標を導入したものの、目標達成のための法律や税金の活用を選択せず、2030年の排出量26~28%削減という中間目標も引き上げなかった。
法案には、排出削減目標に加えて、気候変動担当大臣が毎年、目標に向けた国の進捗状況を議会に報告することを義務付ける要素や、政府から独立した気候変動庁が目標に対する進捗状況を評価・公表し、将来の目標について政府に助言することを義務付ける要素も盛り込まれている。また、政府は、オーストラリア再生可能エネルギー庁(ARENA)、クリーンエネルギー金融公社(CEFC)、インフラストラクチャー・オーストラリアなど、排出量削減に寄与するプログラムや政策を実施する政府機関や部局の目標に気候変動目標を挿入することも提案している。
【参照ページ】
(原文)Australia Moves to Enshrine Climate Targets into Law
(日本語訳)オーストラリア、気候変動目標の法制化に向け動き出す