Moody’s ESG Solutions、ESG評価手法を更新。透明性向上など目的

 

3月2日、Moody’s ESG Solutionsは、ESG評価手法の一連の改訂案について、顧客やその他の市場参加者から意見を求めるコンサルテーションの開始を発表した。提案には、評価する新しいESGサブカテゴリの追加・適用する業界のフレームワークの数の増加・ESGスコアリング手法の透明性の向上が含まれる。

Moody’s ESG Solutionsは、5,000社以上の大企業に対してESGスコアと評価を提供しており、数百の ESGデータポイントを網羅し、企業がステークホルダーや事業にとって重要なESG要素へのエクスポージャーをどの程度管理しているかを測定している。評価は、ESG要因が企業価値に与える影響と、企業活動の社会的・環境的影響を考慮するダブル・マテリアリティ・アプローチに基づいている。

今回の方法論の改訂では、ESG要因をより適切に加重して精緻に分析できるように、物理的気候リスク、サイバーおよびテクノロジーリスク、責任ある納税など、評価の対象となる新しいサブカテゴリーの導入や、業界の枠組みを40から51に増やすなどの変更が提案されている。また、Moody’sは、ダブル・マテリアリティ・アプローチの改良と、スコアリング手法の透明性を高めるためのESG評価をサポートするデータ構造の改良を提案している。さらに、Moody’sは総合的なESGグレードを追加し、ユーザーが企業の相対的なESGパフォーマンスを迅速に理解できるようにすることを目指す。

【参照ページ】
MOODY’S ESG SOLUTIONS PROPOSES ENHANCEMENTS TO ITS ESG ASSESSMENT METHODOLOGY

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る