米テキサス州、DEI政策を「違憲」とする法的見解を公表

1月19日、米テキサス州のケン・パクストン検事総長は州政府における多様性・公平性・包摂性(DEI)に関する政策や制度について、憲法に反するとする包括的な法的意見を公表した。州内で数十年にわたり導入されてきたDEIの枠組みを対象とし、その規模と内容は前例のないものだとしている。

法的意見では、学校や州・地方政府で実施されているDEI関連プログラムを含め、100を超える州法に組み込まれてきたDEIの制度が、合衆国憲法およびテキサス州憲法に違反すると指摘した。さらに、州政府だけでなく、人種や性別などを基準とするDEI施策を実施する民間企業についても、州法および連邦法上の法的責任を問われる可能性があると警告している。

パクストン氏は声明で、「人は人種や性別ではなく、人格や能力によって評価されるべきだ」と述べ、DEI政策は結果として差別を助長しているとの認識を示した。そのうえで、州内の学校、行政機関、民間企業に対し、DEIやアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)に該当する制度の即時廃止を求めた。

今回の意見は、1999年に当時の州検事総長であったジョン・コーニン氏が示した見解を明確に覆す内容となっている。パクストン氏は、当時の判断が憲法上の問題点を十分に検討しなかった結果、DEI制度が長年にわたり州政府内で拡大したと批判し、「法的な明確性と秩序を回復する」と強調した。

また、歴史的に不利な立場にある企業を支援する「HUB(歴史的に十分活用されてこなかった事業者)プログラム」についても、人種や性別を基準とした優遇は平等保護条項に違反すると指摘した。一方で、退役軍人や退役軍人所有企業を対象とした支援制度は、功績に基づくものであり、今回の意見の対象外とされている。

法的意見ではさらに、公共事業における不利事業者支援制度(DBE)や、州の委員会・審議会の構成に人種や性別を考慮する制度についても、厳格な憲法審査を通過できないと結論づけた。

パクストン氏は、2023年に米連邦最高裁ハーバード大学およびノースカロライナ大学の入学選考における人種考慮を違憲と判断した判決にも言及し、「人種に基づく優遇措置は高等教育に限らず、州政府や民間部門でも許されない」との立場を示した。

テキサス州検事総長室は今後も、DEIやアファーマティブ・アクションを名目とした違法な差別や、能力主義を損なう制度について調査を続け、是正を求めていく方針だとしている。

(原文)Attor­ney Gen­er­al Pax­ton Issues Legal Opin­ion Dis­man­tling DEI in Texas, Declar­ing Decades’ Worth of DEI Frame­works — Memo­ri­al­ized in Over 100 Woke State Laws — Uncon­sti­tu­tion­al and Over­rul­ing a Flawed Opin­ion from then-AG Cornyn that Allowed DEI to Flourish
(日本語参考訳)パクストン司法長官は、テキサス州のDEIを解体する法的意見を発表し、100以上の州法に記録されている数十年にわたるDEIフレームワークを違憲と宣言し、当時のコルニン司法長官によるDEIの繁栄を許した誤った意見を覆した。

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