DHLとフィリップス66、米国でサステナビリティを加速 SAF24万トン供給契約を締結

11月18日、DHLエクスプレスは米国のエネルギー企業フィリップス66と、サステナブル航空燃料(SAF)の大規模供給契約を結んだ。今後3年間で24万トン超(約8,300万ガロン)のSAFが供給され、従来の航空燃料と比較して約73万7,000トンのライフサイクル温室効果ガス排出削減が見込まれる。本契約は米国生産者によるSAF取引としても、航空貨物分野としても最大級規模である。
SAFは主にDHLの米国西海岸ゲートウェイであるロサンゼルス国際空港(LAX)へ供給され、今後はサンフランシスコ国際空港(SFO)など他の西海岸拠点へも拡大される予定だ。燃料はフィリップス66がカリフォルニア州で運営するロデオ再生可能エネルギー・コンプレックスで生産され、同施設は年間1億5,000万ガロンの純SAF生産能力を持つ世界最大級の再生可能燃料拠点である。
DHLは「ブック&クレーム方式」を活用して航空分野のカーボンフットプリントを管理しており、本契約は同社のサステナビリティ戦略の重要な進展となる。DHLのグローバルオペレーション責任者トラビス・コブ氏は「SAFの安定供給確保は顧客のサプライチェーンを含め排出削減に大きく寄与する」と述べた。
フィリップス66のブライアン・マンデル氏も「SAF産業の成長に向けた両社のリーダーシップを示す協働だ」と強調している。
DHLは2050年の温室効果ガス排出ネットゼロを掲げており、欧州・米州・アジア太平洋で進めてきたSAF調達戦略の中でも、本契約は特に重要な位置づけとなる。今回のSAF供給は、顧客のスコープ3排出削減を支援する「GoGreen Plus」サービスにも大きく貢献する。

