
10月13日、インフラ大手のブルックフィールドと燃料電池技術を手がけるBloom Energyは、AIインフラの新たなモデルを構築するため、総額50億ドル(約7,600億円)規模の戦略的パートナーシップを発表した。これはブルックフィールドのAIインフラ専用投資戦略における初の大型案件であり、両社は世界規模で「AIファクトリー」を展開していく第一歩を踏み出した。
AIファクトリーは、計算能力・電力供給・データセンターアーキテクチャ・資本を密接に統合したインフラが求められる。Bloom Energyの燃料電池は、従来の電力網に依存せず、クリーンで拡張性が高く、迅速に導入できるオンサイト電源を提供する。一方、ブルックフィールドはインフラ開発と資金調達で世界トップクラスの実績を有しており、この協業によりAI時代に対応したデータセンター構築の新たな設計思想を提示する。
本提携において、ブルックフィールドが最大50億ドルを投じ、Bloomの燃料電池技術を世界各地のAIファクトリーに導入する。年内には欧州での第1拠点の詳細が発表される予定だ。Bloom EnergyのKR Sridhar CEOは「AIインフラは、従来の工場とは異なり膨大な電力・即応性・スピードが要求される。我々は、電力・インフラ・計算資源を初期段階から統合することで、その課題を根本から解決する」と強調した。
AIの急速な普及に伴い、今後10年で米国のAIデータセンターの電力需要は100GWを超えると予測されている。燃料電池はこの需給ギャップを埋める鍵とされ、Bloom EnergyはすでにAEP、Equinix、Oracleといった企業と連携し、数百MW規模のデータセンター電源を供給している。
ブルックフィールドはこれまでに世界で1,000億ドル以上のデジタルインフラに投資しており、Compass DatacentersやDuke Energy Florida、Colonial Enterprisesなどへの出資に加え、Googleに対して最大3GWの水力発電を供給する契約も締結している。今回の提携は、AIインフラ市場におけるブルックフィールドの成長戦略をさらに加速させるものとなる。
(原文)Brookfield and Bloom Energy Announce $5 Billion Strategic AI Infrastructure Partnership