
10月1日、世界セメント・コンクリート協会(GCCA)は、セメント・コンクリート業界の脱炭素化を加速する新たな枠組みとして、「Net Zero Value Chain Partners(NZVCP)」を発表した。これは、従来のセメント・コンクリートメーカーに限らず、炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術、混和剤、エネルギー管理、設備製造などを担う関連産業の企業を新たな会員として迎え入れることで、業界横断的な連携を深めることを目的とする。
GCCA会長でありHeidelberg Materialsの取締役会長でもあるドミニク・フォン・アクテンは、「我々の業界はネットゼロに向けた責任を真摯に受け止めており、パートナーシップによる推進が不可欠だ」と述べ、脱炭素の実現にはバリューチェーン全体の知見と協力が欠かせないことを強調した。
今回のNZVCPには、CDE、KHD、Master Builders Solutions、Saint-Gobain、Schneider Electric、Sinoma Internationalといった業界有力企業が初のパートナーとして参加する。それぞれが排出削減に向けた技術革新やソリューションを提供し、セメント業界の変革を後押しする構えだ。たとえばSchneider Electricは、AIや電化ソリューションを活用した工場の最適化を提案し、Saint-Gobainは混和剤による炭素削減を推進している。
GCCAのトーマス・ギヨー事務局長は、「コンクリートは水に次いで世界で最も使われる素材であり、インフラと現代生活の基盤だ。だからこそ、これを支える企業との協働が不可欠だ」と述べた。今後、GCCAはこの枠組みを通じて、持続可能な建設の未来を共に築いていく姿勢を明確にしている。
(原文)New global initiative to rally building value chain for cement and concrete net zero mission
(日本語参考訳)セメントとコンクリートのネットゼロミッションに向けたバリューチェーン構築を促進する新たな国際イニシアチブ