シンガポール金融管理局、新サステナビリティ責任者を任命

9月29日、シンガポール金融管理局(MAS)は、10月6日付でアビゲイル・ンを新たなチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)に任命することを発表した。これまで同職を兼務してきたジリアン・タンは、開発・国際担当のマネージング・ディレクター補佐を引き続き務める。

過去3年間、タンCSOの指導の下でMASのサステナビリティ・グループは「Finance for Net Zero Action Plan」を策定し、アジアの低炭素経済移行に向けた資金動員を推進した。また、「シンガポール‐アジア分類法(Singapore-Asia Taxonomy)」を通じてサステナブル・ファイナンス基準の一貫性を高め、「トランジション・クレジット連合(TRACTION)」や「アジア移行金融パートナーシップ(FAST-P)」を立ち上げ、エネルギー転換やブレンデッド・ファイナンスを加速させた。さらに、「サステナブル・ファイナンス雇用変革マップ」により人材育成とスキル強化を進めた。

MASのサステナビリティ戦略が成熟段階に入る中、専任のCSO職を設けることで体制を強化する。現在、市場政策・消費者部門の部長を務めるン新CSOは、国際機関や多様な関係者との協働経験を有し、開示政策や基準策定を通じてサステナビリティ関連の制度構築に貢献してきた。

今回の人事により、MASはサステナブル・ファイナンス分野でのリーダーシップをさらに拡充し、アジア地域の金融・経済移行に向けた取り組みを一層強化することになる。

(原文)MAS appoints new Chief Sustainability Officer
(日本語参考訳)MAS、新しい最高サステナビリティ責任者を任命

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