
9月24日、米IBMは、ESG管理統合プラットフォーム「Envizi」に新機能として、温室効果ガス(GHG)排出量の計算をAPI経由で既存ツールに組み込める「Envizi Emissions API」を発表した。グローバルおよび地域別の排出係数ライブラリに基づき、企業やソフトウェア開発者が効率的かつ透明性の高い算定を行えるように設計されている。
企業の多くは依然として手作業のExcelや断片的なデータセットに依存しており、報告プロセスにコストやエラーが生じやすい。その一方、ソフトウェア事業者にとっても、排出量計算エンジンを一から構築するには時間とコストがかかる。本APIはこうした課題を解消し、企業には迅速なScope1〜3排出量算定を、開発者にはカーボン対応アプリ構築の基盤を提供する。
APIは14万件以上の公認排出データに対応し、Excel用テンプレートや段階的な導入ガイドも備える。これにより、企業は外部コンサルに依存せず透明性ある報告を行え、開発者はリアルタイムの運用データを組み込んだ差別化アプリを提供できる。IBMは、この仕組みが単なるコンプライアンス対応を超えて、日常的な意思決定にサステナビリティを組み込む推進力になると強調している。
Envizi Emissions APIは現在プレビュー版として提供されており、利用希望者は待機リストに登録できる。
(原文)Introducing the IBM Envizi Emissions API: Simplifying emissions calculation
(日本語参考訳)IBM Envizi Emissions API のご紹介: 排出量計算の簡素化