
9月23日、次世代航空燃料技術の先端企業であるLanzaJetと、カザフスタン国営石油ガス会社Kazmunaygas(KMG)は、同国初のSAF(持続可能な航空燃料)プラント建設に向けた共同事業を、設計段階に進めることで合意した。両社は共同で実施した実現可能性調査を完了し、今後は建設に必要な技術・経済要素の詳細化を行うFEED(基本設計)フェーズへ移行する。
この合意は、ニューヨーク気候週間に合わせて発表され、LanzaJetのジミー・サマーツィスCEOは、カザフスタンのトカエフ大統領およびKMGのアスハット・カセノフCEOの前で声明を発表した。今回のプロジェクトでは、LanzaJetのアルコール・トゥ・ジェット(ATJ)技術が初めて同地域に展開され、農業・物流・航空・エネルギー各産業の脱炭素化に資する取り組みとして注目されている。
LanzaJetのサマーツィスCEOは、「この取り組みは、カザフスタンのエネルギー安全保障と地域経済の活性化に寄与すると同時に、脱炭素型航空の実現に向けたリーダーシップを世界に示すものだ」と述べた。一方、KMGのカセノフCEOは、「二国間協力の強化に加え、航空分野の環境性能の改善とバイオ燃料市場の発展を促進する意義深いプロジェクト」と強調した。
完成後は、年7万トンと予測されるカザフスタン国内のSAF需要に対応することを視野に入れており、今後数年間で同国の航空燃料供給構造に大きな変化をもたらす可能性がある。プロジェクトは覚書締結直後から直ちに始動する予定であり、中央アジアにおけるSAF展開のモデルケースとなることが期待される。
(原文)Lanzajet and Kazmunaygas (KMG) Announce Kazakhstan’s First Sustainable Aviation Fuel Project Passes Major Milestone and Advances to Engineering and Design Phase
(日本語参考訳)ランザジェットとカズムナイガス(KMG)、カザフスタン初の持続可能な航空燃料プロジェクトが大きな節目を迎え、エンジニアリングと設計の段階に進んだことを発表