
9月3日、デンマークは、EUグリーンボンド規則(EuGB規則)に完全準拠した10年物グリーン国債の発行を発表した。これは、世界で初めてとなる「欧州グリーンボンド(EuGB)」の発行であり、2025年後半にシンジケート方式により初回発行が予定されている。
本債券発行は、中央政府のグリーンボンド・プログラムを最新のEU規格に更新したことに伴うもので、エネルギー転換、持続可能な交通、農地転換、自然回復といった支出分野に紐づくことが特徴だ。これにより、EUタクソノミーへの準拠を含む透明性・説明責任が担保される。
発行される新グリーン国債は、既存の10年物通常国債「DGB 2.25% 2035(ISIN: DK0009924961)」とのツインボンドとして設計されており、流動性確保と投資家の柔軟性を両立する。利率は2.25%、償還日は2035年11月15日で、2025年中はオークションを通じて継続的に供給される見込みである。
欧州グリーンボンド・ファクトシートはサステナブル・フィッチ(Sustainable Fitch)によって第三者レビューを受けており、ICMAのグリーンボンド原則およびEuGB規則の双方に準拠していると評価されている。調達資金の上限は100億デンマーククローネ(約2,300億円相当)で、資金の使用用途や環境インパクトについては定期的にアロケーション報告書およびインパクト報告書が発行される予定。
デンマーク国立銀行のSigne Krogstrup総裁は「デンマーク政府は今回のグリーンボンド発行を通じて、欧州全体で共通のルールに基づいたグリーン投資の仕組み作りを積極的に後押ししている。EuGB規則に準拠することで市場に信頼と透明性をもたらし、グリーン資本市場の発展に国家として寄与していきたい。」と述べた。
(原文)The Kingdom of Denmark is preparing the issuance of a 10-year European Green Bond under an updated green bond programme
(日本語参考訳)デンマーク王国は、更新されたグリーンボンドプログラムに基づき、10年間の欧州グリーンボンドの発行を準備している