
9月4日、オーストラリアの再生可能エネルギー企業アカイシャ・エナジーは大規模な蓄電池(BESS)事業を展開するため、総額3億豪ドル規模のコーポレートローン契約を締結したと発表した。国際・国内の主要金融機関であるBNPパリバ、ドイツ銀行、オランダのING、三井住友銀行(SMBC)、豪ウェストパック銀行が融資団として参加する。
契約は3年間のリボルビングローンおよび信用保証枠で、豪ドル、ユーロ、米ドルによる複数通貨建てに対応。オーストラリア、米国、日本、ドイツで進める同社の蓄電池開発・建設プロジェクトに活用される。
この融資枠は、資産規模に応じて借入上限を拡大できる「ボローイング・ベース・ローン」方式を採用した点が特徴で、オーストラリアの再エネ業界では初の試みとなる。米国の再エネ分野や石油・ガス産業では広く用いられているモデルであり、同社は豪州市場への普及をリードする意向だ。
アカイシャ・エナジーのアンドリュー・ウェグマン最高財務・投資責任者(CFO)は「当社にとっても豪州再エネ業界にとっても画期的な契約だ。柔軟で大規模な資金調達が可能となり、国内外での開発案件を加速できる」とコメントした。さらに「大規模蓄電池が持つ安全で持続的なエネルギー転換の役割を金融機関も高く評価している」と述べた。
同社は世界最大の蓄電池「ワラター・スーパーバッテリー」第1期の運転開始を達成するなど、大型案件の実績を持つ。今回の資金調達を機に、低炭素社会に向けたエネルギーインフラ整備を一層推進する考えだ。
(原文)Akaysha Energy secures A$300 million corporate debt facility to accelerate growth
(日本語参考訳)Akaysha Energyは成長を加速するために3億豪ドルの企業債務枠を確保した