
9月4日、英ケンブリッジ大学発のスタートアップ、ザンプラ(Xampla)はシリーズAラウンドで1400万ドルの資金調達を完了したと発表した。同社は植物由来の高分子材料「Morro™」を開発しており、資金は同製品を世界的に展開するために充てる。
今回の投資ラウンドはエメラルド・テクノロジー・ベンチャーズ、BGF、マタウェーブ・ベンチャーズが主導し、ケンブリッジ・エンタープライズ・ベンチャーズやアマデウス・キャピタル・パートナーズ、ホライズンズ・ベンチャーズなど既存株主も参加した。
同社によると、今回の資金によりテイクアウト用容器やコーヒーカップ、調味料の小袋などに使われる100億個以上の使い捨てプラスチックの代替を実現する見込みという。Morro™は再生可能な植物タンパク質を原料としたプラスチックフリーの素材で、生分解性かつ家庭用コンポストが可能。従来の性能を維持しながら自然分解できる点が特徴だ。
ザンプラは既に食事宅配大手Just Eat TakeawayやBunzl Catering Suppliesと提携し、包装大手フータマキ、2Mグループ、トランセンド・パッケージングを通じて製品を供給。従来のプラスチックコーティングの代替を進めている。
同社CEOのアレクサンドラ・フレンチ氏は「これは汚染プラスチックに代わる技術への大きな信任投票だ。アジア太平洋地域へ展開を広げ、欧州と英国での成長も加速させる」と語った。
さらに、家庭用洗剤カプセルや食品用フィルムに使われるPVAフィルム代替となる水溶性のMorro™フィルム開発も進めており、今後の市場拡大が期待される。
環境革新ベンチャーのエメラルド社パートナー、ニール・キャメロン氏は「大きな課題に対応する大きな解決策だ」と評し、マタウェーブ社のイネス・コルムゼー氏も「すでに市場に導入されている点が際立っている」と期待を示した。
ザンプラは、科学主導の持続可能素材によってプラスチック汚染を根本から解決することを掲げており、今回の資金調達は世界的な環境課題の解決に向けた技術活用の広がりを象徴している。
(原文)Xampla secures $14 million Series A to replace 10 billion units of single-use plastic
(日本語参考訳)Xamplaは100億個の使い捨てプラスチックを置き換えるために1400万ドルのシリーズAを調達した