ESG資産の成長継続へ、AIとエネルギー転換が次の焦点―にBBG調査

8月25日、ブルームバーグ・インテリジェンスは2025年春に実施したESG投資家調査を発表した。約85%の投資家が今後2年間でESG関連資産が増加すると予測し、66%は気候変動に特化した資産(Climate AUM)についても同様の見通しを示した。ESG(環境・社会・ガバナンス)投資は、逆風下でも中長期的な成長が見込まれており、特に気候変動対応とAIの活用が投資家の次なる注目領域として浮上しているとした。

調査対象となった252人の投資家のうち、半数近くがポートフォリオの15%以上をESG関連に配分すると回答しており、同水準で気候変動関連資産への配分も想定されている。ESGを実践することで得られる長期的利益としては、「業界や企業の理解が深まる」「より良い投資判断」「リスク調整後リターンの向上」などが挙げられた。

一方で、脱炭素化戦略やカーボンフットプリントに関する定量評価が浸透しているが、Scope 3排出量や物理的リスク、気候シナリオ分析におけるデータギャップは依然として深刻な課題として認識されている。それでも71%が、企業のエネルギー転換戦略が競争力や市場シェア拡大に寄与すると回答し、59%は収益増の可能性を評価している。

次なるESGテーマとして、「AIのリスクと機会」が2025年のトップ注目トピックに挙げられた。45%がAIを、39%がサイバーセキュリティ、25%が水資源を今後の主題として重視している。特にAIについては、ESGとの統合的な活用や、アルゴリズムによるESGデータ評価の自動化、倫理的リスクの監視など、多面的な関心が高まっている。

(原文)BI survey: Investors see AUM growth for ESG, climate

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-28

    ネイチャーポジティブ経営の重要性が増大・企業に求められる対応とは?(再掲)

    ※2024年3月5日公開済みの記事に「移行計画」「ネイチャーポジティブ宣言」に関する情報を一部更新…
  2. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-3

    ESG資産の成長継続へ、AIとエネルギー転換が次の焦点―にBBG調査

    8月25日、ブルームバーグ・インテリジェンスは2025年春に実施したESG投資家調査を発表した。約…
  2. 2025-9-1

    マレーシアで1.5GWの太陽光×蓄電プロジェクト始動、データセンター向け再エネ供給を強化

    8月25日、マレーシアの国営エネルギー会社ペトロナス系の再生可能エネルギー企業ジェンタリとインフラ…
  3. 2025-8-28

    環境省「ネイチャーポジティブポータル」開設、生物多様性回復へ情報集約

    8月18日、環境省は、生物多様性の保全と回復を目指す「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、関連情報…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る